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5月7日(月)
「岡野は残らないと思います」
印刷室で次の会議の資料を、現会長の小国先輩と印刷している。
決して現会長を遣っている訳ではなく、俺の仕事に勝手についてきたのだ。
実質、生徒会なんて雑用仕事が多い。
ガションガションと紙を吸い上げる印刷機の音。
三台ある印刷機は、俺らだけではなく教員も使っているのだが今は職員会議中らしく珍しく二人しかいない。
明々後日に控えた投票日を前に、彼が聞いてきた事。
『岡野は、会長にならなかったら副会長とかで残ると思うか?』
これが聞きたかったのでついてきたのだと、気付いた。
「以前の岡野なら、残ったかもしれませんが今の岡野は明確なビジョンを持ってます。今期の立候補者の中に岡野と同じ思想を持つ奴はいません。中途半端に関わるくらいならすっぱり辞めますよ岡野は」
厳しいのだろう。岡野の当選は。
きっと将来、大きな人間になる。と思う。
それでも、彼がまだ咲くには早すぎるのだろう。
大器晩成型なのだ。
「浦田は?」
「乞われれば残りますが、何も言われなければ去ります」
「岡野いなくても?」
岡野の応援演説者であるし、周りにも岡野を押すような発言をしている。
「それとこれとは別ですよ」
岡野の人柄や能力は買っているが、それと生徒会を続ける続けないの問題は別物だ。俺は別に、岡野に仕える人間ではない。
「そうか…………」
入ってきたばかりの人間が、細部にわたる人事ができるとは思えない。
小国先輩はそこまで配慮して色々な方面に打診していくだろう。
「先輩は、岡野に残って欲しかったですか?」
「…………いや、岡野は落選したら残らないと思うからな」
知ってて聞いたんですか……溜め息が一つ零れる。
きっと投票の開封後、小国先輩が自分の許へやってくるのだろう。
「ただ、残って欲しいとは思う。あいつが一人いるだけで、会の中が上手く纏まる」
「ええ、俺もそう思います」
結局印刷を手伝うこともなく、小国先輩は部屋を後にした。
もしも、岡野の下に仕えたら大変だろう。それでも、何か大切なことを学べる気がする。充実感がある気がする。
「ちょっと残念だけどな」
だけど、岡野がいないからといって俺は生徒会入りを拒絶しないだろう。
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